弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

大阪の特許法律事務所に勤務する弁理士(36歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

知財実務

「発明を曲げてはいけないよ〜」というのは尊敬する元上司の言葉です。

知財の世界に入って2年目くらいに元上司に言われたセリフです。 発明者が提案する内容では特許にならなそうな場合、何とか特許性を高めるために、色々と発明内容の変更を(知財担当者として)提案することがあるかもしれません。 ただ、発明内容を容易に変…

結局交渉で使える特許を取得しようとしたら、一切サボれないという話

発明が生まれ、その発明が特許になって、そしてその特許が活用される。恐らく、なんぼ早くても3年、遅ければ15年くらいはかかるかと思います。 権利が活用されるまでに、たとえば以下のようなプロセスを経るケースが多いのではないでしょうか? 1.知財…

英文レター暗記の近況

本日の昼休みで内外案件のサンプルレター暗記が完了しました。日々の業務におけるレター作成も多少は速くなったと思いますし、非常に良い勉強会だと思います。 やっぱり、やる気レベルが同じくらいの人達で勉強すると継続しやすいようです(高す過ぎず、低過…

発明提案を却下するという企業知財の仕事

発明者から発明提案書を受け付けた場合、内容がイマイチだったり、先行文献があったりしたときは、提案を却下することになるかと思います。 こちらが提案を却下した場合に、1⃣こちらが納得するような付加事項を提案してくれたり、2⃣別の内容を提案してくれる…

知財の仕事をやっていて一番嬉しかった瞬間(特許売却編)

今日は特許売却業務を担当していたときに、一番嬉しかった瞬間について書いてみたいと思います。 特許売却の交渉開始から契約締結までは結構な時間を要します。たとえば、以下のようなやり取りを半年とか一年とか(場合によってはもっと長く)かけてやってい…

出願パンフレット(出願の成果が見える化されると嬉しいもんですよ。はい。)

今日は出願の成果を見える化する工夫について書いてみたいと思います。 色々な工夫をしていたのですが、その一つが「出願パンフレット」というものです。前職の先輩(というか(まじで尊敬する)元上司)に勧められて一生懸命作っていました。 因みに、私以…

実施の形態内で見出し(タイトル)を付けるか否か

「見出し(タイトル)」とは、以下のようなやつのことです。 [実施の形態1] (デジタルカメラの構成) ・・・ (顔認識アルゴリズム) ・・・ この例でいう、(デジタルカメラの構成)や(顔認識アルゴリズム)のことです。 この見出しを実施の形態内で付…

業務効率の改善(現地代理人への指示)

特許事務所においては、外国案件の中間処理に関して、たとえば以下のような業務が発生します。 1.OA(Office Action)の分析結果及び応答案を含む報告書の作成(クライアントに送付します。) 2.クライアントの指示に基づいた指示レターの作成(現地代理…

自分の名前を出すことで120%の力を発揮できる(人間ってそういうとこあるよね。)。

特許事務所の場合、入所当初は上司の影武者として、名前を出さずに仕事をすることがあると思います(上司の指導のもと書面を作成しているため、当たり前ともいえます。)。 私が所属している事務所は、その期間が長く、私の場合も最近ようやく名前を出して仕…

係属中案件を放棄するという辛過ぎる仕事

知財を通じた事業貢献を考えた場合、前向きな業務としては、競合他社が実施する発明を権利化するというものがあります。 これにより、他社との特許ライセンス交渉を有利に進めることができ、結果的に他社よりも事業を有利に進めることができます。 そのよう…

案件処理数アップのために必要なのは・・・結局最後は根性論か!

特許事務所では、究極的には、年間何件出願できるのか、年間何件中間処理を捌けるのかが問われます。 で、ここ一年半勤めてみて思っているのですが、以下の二通りの行動パターンによって、アウトプットがかなり変わってくるように思っています(当たり前です…

いくら良い明細書を納品しても打ち合わせ内容とのギャップが大きければお客様から感謝されないのでは?という話

企業時代に特許事務所に明細書作成を依頼して、困ったケースがありました。 その一つが、打ち合わせで一切話に出てこなかった内容が色々と記載された明細書が納品されたときです。 恐らく正しい内容を記載してくれているのでしょうが、打ち合わせで一切話に…

特許業界におけるマナー

企業知財であっても特許事務所であっても、他人が出願を担当した案件を中間処理の段階から引き継ぐことがよくあります。 このような場合に、中間処理の段階で前任者の仕事内容にケチをつけるのは、マナー違反なのではないかなぁと思うわけです。 明細書がペ…

知財の仕事をやっていて一番嬉しかった瞬間(権利取得編)

ある企業との交渉中に相手の製品を権利範囲に含む特許をなるべく増やそうと、スーパー早期審査を活用することがありました。 結構厳しい引例が引かれていたので、ある程度クレームを限定せざるを得ないとも考えられたのですが、限定すると相手製品の侵害を(…

技術者が素晴らしいと考える発明が必ずしも活用できる特許にはならないという話

技術者が素晴らしいと考える発明と、実際に特許ライセンス交渉の現場で活用できる発明とは結構異なります。 技術者が素晴らしいと考える発明は、多くの場合、技術者が苦労して生み出した発明です。こういった発明は小難しい内容になる場合が多く、他社が真似…

企業知財から事務所に移って変わったこと(明細書作成編)

今日は、事務所に移って、私の明細書作成業務がどのように変わったかについて書いてみたいと思います。 思いつくことを列挙してみます。 1.表現に関して企業時代よりも慎重になったように思います(権利範囲にあまり影響しない部分も含めて)。上司やお客…

緊急出願の乗り越え方(企業内製編)

企業時代は稀に(頻繁に?)緊急出願の対応をすることがありました。ここでいう緊急出願とは、発明者からヒアリングをしてから3日以内に出願をしないといけないケースをいいます。 発明者「・・・という内容の発明なんですけど明後日製品発表なんですよねー…

前回の記事に対する補足(クレーム作成について)

前回の記事で企業時代には、発明者からのヒアリングが済んだ後(発明を理解した後)20〜30分でクレームを作成していたと書きました。これに対して他の方からコメントを頂きましたので少し補足をしたいと思います。「発明を理解した後」というところがポ…

企業知財から事務所に移って変わったこと(クレーム作成編)

知財業界に入って間もない頃は、発明を特定するために必須の構成要件をうまく絞り込めないなんてこともあるかと思います。ただ、そういったことは3年くらいこの業界で働いているとかなり短時間で正確に行なえるようになってきます。クレーム作成というのは…

英文レターの暗記

英文レターなんて相手が分かる程度に書けていればいいんじゃないの!?というのが、企業時代の私の気持ちです。(半分以上の email は英語という時代も経験しましたが)実際それで問題を起こしたことはないと思っています。が、現在は違います。稚拙な英語で…

明細書の役割

本ブログを見て下さっている方々には釈迦に説法かと思いますが、明細書は、「技術文献」としての役割と「権利書」としての役割とを有しています。いずれの役割も重要なのでどちらの側面も蔑ろにすることはできません。しかしながら、時にこっちを立てればあ…

中間処理時に事務所弁理士と打ち合わせると結構良い。

先日の飲み会(前職の同僚の送別会)での話題から思い出したことがあるので、今日はそれについて書いてみたいと思います。前職で知財担当者をしていたときは、特許事務所の弁理士と中間処理の打合せをすることが結構ありました。中間処理時に打合せを行なう…

翻訳チェックをまじめにやってみて。。

本日、本サイトのアクセス数が爆発しました(笑)平常時のアクセス数が非常に少ない(50アクセス/日くらい?)ので驚きました。アクセス解析を見てみたところ、特許翻訳者の方が自身のブログにリンクを貼って下さったようです(ありがとうございます。初…

当事者の仕事と代理人の仕事との違い(明細書)

当事者として明細書を作成していたときは、好き放題に何でも決定することができました。たとえば、クレームをどこまで限定するのか、クレームの対象製品を何にするのか、明細書のストーリーをどういった感じで纏めるのかなどなど何でも自由でした。ところが…

発明報償制度

蒸し暑いせいか身体がダルいです。そんな日にアレなんですが、今日は発明報償制度について書いてみたいと思います。どのような企業であっても、年に一回は発明報償のための審査をやっているものと思われます。結構大変(面倒!?)ですよね。大量の権利につ…

技術知識の重要性

企業知財であっても特許事務所であっても、特許業務に携わるのであれば技術知識の強化は必須です。ただ、その重要性の程度が少し違うかな、というのが最近感じるところです。因みに、技術理解力はどちらの立場であっても同程度に重要だと思います。企業知財…

権利評価の役割分担

企業における知財活動で、発明発掘と同じくらい大切だと思われるのが自社他社の権利評価です。就職したての頃、膨大な数の権利をどのような手順で評価していけば良いかまったく分からず、非常に困った経験があるので今日はその辺について書いてみたいと思い…

どうすれば特許売買できるのか?

前にも一度書きましたが、前職では一時特許売却を担当していました。今日はどうすれば特許売買をすることができるかを書きたいと思います。当然ですが、まず売買の相手を探す必要があります。ただ、いきなり事業会社に「特許いりませんか〜」なんてコンタク…

知財戦略を語る人は多いが、知財部の戦略を語る人は少ない

いわゆる知財戦略というのは事業戦略の一部だと理解しています。知財部の中でも知財戦略について語りたい人は多かったように思います。「オープンクローズ」的な話を語りたい人は多いのです。知財戦略は非常に重要で、これらについて色々と検討を重ねること…

ある知財部の今昔物語

約10年前、私はある電機メーカに入社し、知的財産部に配属になりました。私が配属された課(約30名在籍)の課長は、私が入社する約3年前に技術部門から異動してきたばかりで、知財に関してはそこまで精通していませんでした(因みに、現在は既に退職さ…