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弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

特許事務所に勤務する弁理士(35歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

発明者に明細書を確実に確認してもらう方法

今日は知財実務のプチノウハウの一つを紹介したいと思います。企業勤務を開始した頃、以下のようなシチュエーションによく出くわしました。

私「お、特許事務所から明細書が納品されたぞ。発明者に内容を確認してもらおう。メール、ポチ。私自身も時間があるときに確認するか~。」

数日後・・

私「あ、発明者からメールだ。明細書はまったく問題ないのか~。そういや、私はまだ確認できてなかったなぁ。でも、発明者も問題ないって言っているし、このままでいいか~。」

私「特許事務所に連絡しよう。問題ないのでこのまま出願して下さい。メール、ポチ。」

その後色々と経験を積んで思うことですが、特許事務所から納品された明細書や自分で作成した明細書にミスがまったくないということはまずありえないと思った方が良いと思います。現在は特許事務所に勤務している立場なので、こういうことを言うのはあまり好ましくないと思うのですが、多くの原稿には何らかの修正すべき点があるものと思われます(少なくとも誤記の一つくらいは(当然納品前には何度も読み返しているのですが・・))。

そういう意味で、発明者が明細書原稿に問題がないと伝えてきた場合は、しっかりとは明細書を読んでいない、又は、明細書の確認の仕方がよくわからないという可能性が高いのではないかと思います。

そこで発明者に明細書を確実に確認してもらう方法ですが、知財担当者と発明者とが明細書を読み合わせるという方法が一番確実で手っ取り早いと思います。たとえば、以下の手順でやると良いと思います。

1.知財担当者と発明者と(プラス場合によっては事務所の担当者)で会議室に集まる。

2.知財担当者が明細書を最初から音読する(知財担当者「【発明の名称】表示装置、【技術分野】この発明は、表示装置に関し、特に・・・」)。音読を開始する前に、発明者に対して、技術的に怪しいところがあれば都度止めてもらうように念押ししておく。

3.いまいち理解できない点があった場合に都度読むのを止める。技術的におかしいからなのか文章的におかしいからなのか原因をつきとめる。技術的におかしいのであれば発明者と相談して修正の方向性を決める。文章的におかしいのであれば知財担当者が居室に戻って修正の方向性を考えることにする。

このように進めることで、かなり精度の高い明細書確認ができるものと考えます。特に、特許事務所の担当者にも参加してもらうとその場で修正指示も出せるので非常に効率的です。特に、明細書のどこが間違っているというわけでもないのだけれど、全体的にしっくりこないような場合には、明細書の作成者とその場で議論することである程度納得のいくものに直すことができます(又は次回以降に生かしてもらうことができます。)。この点は、結構画期的な効果だと思います。

読み合わせ確認は、目の前の明細書確認という意味でも効率的ですし、発明者・事務所担当者とのコミュニケーションを密にするという意味でも有効です。とにかく、かなりお勧めのプラクティスです。