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弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

特許事務所に勤務する弁理士(35歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

誰もが使いたくなる発明のイメージ

今日は、知財担当者がどのような発明を発掘することで自社の特許ポートフォリオが強化されるかについて私の考えを書いてみたいと思います。

2006年頃、まだ世の中のカメラに顔検出機能が搭載されていなかった時代をイメージして下さい。

ある会社が次機種に顔検出機能を搭載することを決めたとします。この場合に、たとえば、商品企画部門と開発部門とで以下のような役割分担で商品が作り込まれていくことが多いと思います。

◾商品企画部門

1⃣顔検出機能を搭載することを決定

2⃣検出した顔の周りに枠を表示することを決定

顔検出が行われた場合に顔にオートフォーカスすることを決定

◾開発部門

1⃣顔検出の精度を向上させるためのアルゴリズムを開発

2⃣顔へのオートフォーカスの高速化

などなど。

この場合に知財担当者が発明発掘を行なわない場合、顔検出アルゴリズムに関する発明と、オートフォーカスアルゴリズムに関する発明とが開発部門から大量に提案されることになると思います。

ただ、実際にはそういった発明を特許にしても他社が実施していることを立証できません。しかも、他社から見た場合、そういった発明に関する特許を回避したとしても商品性には影響を与えないことが多いです。

知財担当者は、この例では、商品企画部門が提案している内容を発掘し特許出願につなげていくべきです。ただ、商品企画部門の提案内容は、このままでは仮に新規性があったとしても進歩性は怪しいです。そこで明細書にはもっと色々と書いておくべきです。

たとえば、1⃣静止画撮影モードのときは顔枠表示するが、動画撮影モードのときは〜〜とか、オートフォーカスされたら枠の色を変えるが、その後撮影ボタンが押されなかったら〜〜とか、色々と実際の商品で搭載される仕様があるはずです。それらの仕様がそのようになっているのにはそれなりの理由があるはずで、そこが(権利化における)最後の落とし所になることが多いです。

こういった発明は立証が容易で、しかも他社も真似をしたくなることが多いです。デジタル家電の機能がどこも似たり寄ったりであることがこれを証明していると思います。

こんな感じ(笑)の発明を知財担当者が積極的に発掘して出願に繋げることで、特許ポートフォリオが強化されると考えます。なお、この場合に、特許性は何とでもなる、と考えることが重要です。実際、私自身過去何とかしてきましたので(笑)