弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

大阪の特許法律事務所に勤務する弁理士(36歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

規格必須特許(Standard Essential Patent(SEP))の重要性

前職では一時規格必須特許の権利化や活用を担当していました。最近、そういった内容について質問を受けることがあり、その場合には昔のことを思い出しながら対応しています(電機業界以外にも色々と標準化の波が押し寄せているようです。)。


規格必須特許というと、FRAND宣言が行なわれている関係で、ロイヤリティが抑えられたり、差止請求権が制限されたりと必ずしも特許権者にとって良い話ばかりではありません。


さらに、日本メーカーがデジタル製品で利益を上げていた頃、多くの日本メーカーは、主要な規格に関してパテントプールに参加しており(特にAV機器業界はそういう傾向が強かったです。)、結果、SEPを二社間交渉で使うことができないというケースが多かったように思います(プールを介して自社のSEPは既に他社にライセンスされているためです。)。


したがって、二社間交渉をバリバリ行なう業界の製品を担当していたときは、SEPなんてほとんど役に立たないと思っていました。


ところが、近年製品サイクルがどんどん短くなり、自分の中でそういった考えが改まってきました。


SEP以外の製品実装特許は、ある意味その製品にしか使えません(クレーム次第ですが、何らか他には使えない限定が入ってしまっているものです。)。


「何でこんな限定が入ってんねん。。」ということを、前職で権利活用(Patent Monetization)を担当していたときに山ほど経験しました。


特にこれから「IOT」だ「AI」だと、これまでと異なるカテゴリーの製品が市場を席巻することになると、これまでエース級だと考えられていた従来製品(たとえば、スマホ)の特許は(IOTやAIに関する事業をやる上で)何の役にも立たなくなる可能性が高いです。


一方、SEPはそういった状況に強いです。たとえば、WiFiはPCに昔から搭載されていましたが、スマホの台頭でPCが売れなくなったとしてもスマホWiFiを搭載しています。したがって、WiFiのSEPを保有していれば、スマホに対して活用していくことができるわけです。


恐らく、これからIOTだAIだといっても、WiFi3GPP系の通信技術は使われ続けるのでしょう。そういった意味で、それらのSEPというのは非常に寿命が長いわけです。


目の前の製品だけでなく将来的な製品の動向も考慮すると(将来どうなるかは分からないため)、SEPの重要性というのは相当高いのではないかと思うわけです(どっちにしろプールに入ってしまうとそうはいかないので、そういった意味ではプールに入るか否かもよく考えないといけない時代に入っているようです。MPEG-LAのHEVC(H.265)のプールを見てみると各社が色々考えているんだろうなぁと思ってしまいます。)。



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