弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

大阪の特許法律事務所に勤務する弁理士(36歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

知財の仕事をやっていて一番嬉しかった瞬間(特許売却編)

今日は特許売却業務を担当していたときに、一番嬉しかった瞬間について書いてみたいと思います。

特許売却の交渉開始から契約締結までは結構な時間を要します。たとえば、以下のようなやり取りを半年とか一年とか(場合によってはもっと長く)かけてやっていきます。

1.自社の特許に興味を持つポテンシャルバイヤーを見つける。

2.NDA(Non Disclosure Agreement)を締結する(以後、色々と秘情報を開示することになりますので)。

3.(仮にあれば)EOU(Evidence Of Use)を開示する(クレームチャートみたいなもんです。)。

4.ポテンシャルバイヤーが催告しようと(?)考えている事業会社に対象特許を活用できるか否か(ライセンスされていないか)を検討する(ポテンシャルバイヤーへの伝え方は要検討)。

5.必要な情報が出揃ったところで価格交渉

6.価格の折り合いが付いたら、その他種々の条件について交渉(主要条件がまとまったらタームシートにサイン)

7.細かい条件について交渉

8.全部まとまったら契約締結

と、こんな感じで交渉が進みます。

特許の価値を評価するファクターの一つにどこの会社に既にライセンスされているかというものがあります(上記4で検討する内容です。)。当然ですが、色々な会社にライセンスされている特許の価値は低いです。

売却交渉は結構な時間を要しますので、売却交渉中に他のライセンス契約が成立することがあり得ます。その結果、売却交渉中に対象特許のライセンス先が増えてしまうということも起こり得ます。

あるポートフォリオの売却交渉中に、他の大型案件(特許ライセンス案件)の交渉がまとまりそうだという情報が入ってきたことがありました。その大型案件が先にまとまってしまうと、売却対象のポートフォリオの価値は激減し、今までの苦労は水の泡になるという状況でした。

本当に一刻一秒を争う状況だったのですが、そのような状況であることをバイヤーサイドに伝えることはできません(大型案件の方のNDAが効いてますので。)。

そんな中、売却交渉の方は条件交渉が全てまとまり、あとはお互いのサインをゲットするだけという状況になりました。「間に合う?どう?」という感じでした。

こちらは大急ぎで責任者のサインをゲットしました。が、相手方の責任者が海外出張に出ていて当分帰ってこない。。まじで、終わったかも。。

先に大型案件の契約が発効してしまった場合の対策について社内調整をし、あかんかったらしゃーない、というところまできていました。

そんな状況、まさに明日大型案件の契約が発効するというギリギリのタイミングで、交渉相手からサイン済みの契約書がメールで送られてきました。本当に突然でした。本当に嬉しく思うとともにホッとしました。

色々と思い出しながらこの記事を書いているだけでもハラハラドキドキしてしまいます(笑)でも、サイン済みの契約書が送られてきたときは本当に興奮したなぁ。

因みに、相手からのメールのタイトルは、"Congratulations"。平和なもんですわ(笑)

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