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弁理士(企業知財→特許事務所)のブログ

特許事務所に勤務する弁理士(35歳)のブログです。以前は家電メーカにて企業内弁理士として勤務していました。企業時代のことや現在のこと(主に知財関係の内容)を綴っています。

弁理士試験における論文の書き方(かなり昔ですが、合格直後にまとめたコツを貼っつけます。)

今日は、私が弁理士試験に合格した直後にまとめたメモを貼っつけます(論文の書き方をまとめたものです。)。何人かにこのメモを使って論文の書き方を教えたことがありますが、皆合格しています(このメモのお陰というより、皆が頑張ったから受かっただけですが。。)。

因みに私が合格したのは平成17年の試験ですので、10年以上前の話になります。なので、現在の試験にはあまり役立たないかもしれません。が、多少は役に立つ部分も残っているのではないかと思いますので、興味のある方はどうぞ。

(学生時代に書いた文章なので「これをやったら合格確実!」みたいな気前の良いことを書いていますが、当然合格を保証するものではありません。当たり前ですけどね。)

ーーーーー以下、メモーーーーー

論文の書き方

1, はじめに

弁理士試験における論文式試験にはパターンがあり、それぞれのパターンに対して記載すべきことは決まっています。それさえマスターしてしまえば確実に合格できます。

2, パターンについて

論文の種類としては、①項目列挙型 ②論点型 ③主客時手型 があります。これらが混ざっているような問題(項目列挙+論点等)もあります。次にそれぞれについて説明します。

(1)項目列挙型

具体的にはいわゆる「措置問題」等が項目列挙型にあたります。平成17年度の本試験でいえば特許Ⅰ(3)や特許Ⅱ、商標(1)が該当します。これらの書き方については、まずその措置を取る理由(その措置を取ることにより得られる効果)を書いて、その措置を取る際の留意点(その措置を取るための要件)を書きます。

まぁつまるところ論文試験は要件・効果をちゃんと理解しているかを聞いているのです。具体的には次のようになります。問題忘れちゃったので細かいところは・・・。ちなみに例1はH17の特Ⅰ(3)、例2はH17商(1)を想定しています。

例1:1,意見書の提出

(1) 自己の意見を開陳することにより審査官の認定を覆し得る点有効である。

また、以下の措置を取ることにより拒絶理由を解消している旨を主張し得る点で有効である。 (←措置を取ることにより得られる効果であり理由)

(2) 指定期間内に提出する点に留意する(50条)。(←要件)

例2:1,無効審判の請求

(1) 無効審決の確定により、商標権は遡及消滅する(46条の2)。

(2) 以下無効理由について検討する。

①4条1項19号

本問において、・・・ (←あてはめれる要件をすべてあてはめる。)

従って~~であれば4条1項19号の無効理由を有する。(↑不明な要件については「~~であれば」として炙り出す。)

②4条1項10号、15号

本問において、・・ (←確か4条3項で無理)

(3) また、~~であり利害関係を有しているので請求人適格を有する。

(4) 従って~~は無効審判を請求することができる。

(2)論点型

具体的には条文の解釈を聞いている問題等がこれにあたります。が、解釈を聞いているのではなくただ条文にあてはめさせたい問題も論点型だと考えて下さい。平成17年度の本試験でいえば特Ⅰ(1)(2)(4)商(2)がこれにあたります。このタイプの問題はまず条文を挙げ、(不明な文言の解釈をし、)そしてあてはめます。まぁ結局このパターンでも条文の要件について聞いています。具体的には次のようになります。例はH17特Ⅰ(1)を想定しています。

例:1,38条は特許を受ける権利が共有に係るときは各共有者は共同で出願しなければならない旨規定する(38条)。 (←条文)

2,本問において甲と乙は共同で~~を発明しているため、特許を受ける権利は甲と乙に原始的に帰属し、共有に係っている(29条1項柱書)。 (←要件あてはめ)

3,従って、甲と乙とは共同で出願する必要がある(38条)。

4,但し、甲が乙から特許を受ける権利の持分を譲り受けた場合には甲は単独で出願することができる。

(3)主客時手型

具体的には制度を説明させる問題等がこれにあたります。いわゆる基本問題タイプです。今の時代そんな問題は出ないと思いますが、あまりにも漠然とした問題は主体、客体、時期、手続の観点からまとめるときれいにまとまったりします。例えば「~~~~ここで、甲が補正する際に留意すべき事項について述べよ。」と聞かれた場合に、主客時手の観点からまとめれば漏れがなくなります。ちなみに平成17年度の本試験にこのタイプの問題は出ていません。

(4)論点型+項目列挙型

「差止請求は認められるか」を聞いている問題は論点型ともいえるし(差止請求の要件にあてはめていくという観点からは)、項目列挙型ともいえます(抗弁を列挙して要件にあてはめていくという観点からは)。まぁこれはワンパターンなので、これはこれで別物と捕らえてもいいでしょう。

平成17年度の本試験でいえば、意匠(2)、商標(3)がこれにあたります。このタイプは「差止」「侵害」の定義を書き、形式侵害を検討し、抗弁を検討して終了です。「差止」「侵害」の定義を何故書くかというと「差止請求は認められるか」が問われているからです。まぁ考え方としては論点型を書く考え方と同じで、要件を挙げて、それへのあてはめを行うというスタイルです。

だから「どのような主張ができるか」と問われたときに「差止」「侵害」の定義を書いてもあまりピンときません。権利化後であればどんな問われ方であってもそれぞれの定義を書いてくる答案がありますが・・・。

3, 論文を書く際の心得

論文の中に書くことに無駄な記載は一切ありません。「とりあえず定義書いとくか~」というようなことは絶対ないのです。定義を書くときは定義が必要なときだけです。定義が必要なときはどういうときかというと、定義の対象を説明するときか、定義へのあてはめを行うときです。

定義を書いて、何もあてはめないで結論を書いても論理が飛躍しており、採点官のペンが止まります。ペンが止まったら最後です。ゼミの先生に「答案の流れが悪い」とか漠然としたことを言われた経験がある方は要注意です。先生は気を使ってオブラートに包んでそのように言っているのでしょうが、それは「文章が論理的じゃない」ということです。

まぁ結局、要件・効果・理由をきっちり漏れなく書きつつ無駄なことは書かないということを徹底すればよいと思います。

4, ちなみに

平成17年度本試験意匠(1)は正直どのタイプで書くべきかよく分かりませんでした。でもとりあえず理由・要件・効果についてしっかり書こうという観点から論文作成をしました。そういう意味ではこれまで挙げてきたパターンにあてはまらない問題もあるかもしれません。でもつまるところ「まぁ結局、要件・効果・理由をきっちり漏れなく書きつつ無駄なことは書かないということを徹底すればよいと思います。」ってことだと思います。このスタンスを守れば絶対合格です。

ーーーーーメモ終了ーーーーー

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